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バラは美しく可憐な花姿とともに
もう一つ、これぞバラ!といえる特徴がありますよね。
それは「香り」
では
バラのどの部分から香ってくると思いますか?
それは「花びらから」です。
バラの品種によって多少の違いはあるのですが
大抵のバラは「花びら」からなんですね。
雄しべ(花粉)が香るバラは、昔からある古いタイプに多いようです。
とても魅力的な香りだそうですよ。
もっとも花びらは雄しべから変化したものなので、
結局は花びらということになると思います。
他にも、葉から香る品種もあるのです。
ローズヒップにも香り成分がありますしね・・・
バラから香油をつくるときは5分咲きのものを摘み取ります。
揮発性なので咲ききる前に摘まないと香りが逃げてしまうのです。
バラの香りって
とてもデリケートなんですね。
そんなバラの香り、品種改良で
もっともっと濃厚にと願うのは当然の成り行きです。
香りに対する品種改良は進んでいるのでしょうか?
<香りの品種改良>
花びらが香る。
ということは
どうやって香り成分をたくさん含ませられる花びらをつくるかが
ポイントとなってきますね。。
バラに香りがあったからこそ
人々は興味をもちました。
そして
より複雑な香りを求めて研究し交配を試み
現在のようなバラが生まれてきたのだと思います。
しかし、
より香りの強いものを追求していくと
やっぱり共存できないものがでてくるようですね。
<香りと共存できないもの>
香りをふんだんに含み芳香させるふくよかな花びらをつくる。
そんな花びらの枚数を増やす。
とすれば
ひきかえに失ってしまう性質があるんですね。。。。
それは
・耐病性
・花持ち
他にあるかもしれませんが
特にこの2つって重要ですよね。
◯耐病性が弱くなる
バラに強い香りをつけようとすると病気に弱くなると言われます。
強い香りと耐病性は対局にあると言わざるを得ません。
将来的には両立することを願いますが
いまはある程度のところで折り合いをつけているという感じでしょうか。
しっかりと香りを含む花びらをつくらなければならないのに
病気で花をつけなくなるなら意味がありませんものね。
◯花持ちが悪くなる。
強い香りをつけようとすると
花持ちが悪くなる傾向にあります。
すぐに花びらが散ってしまうのです。
驚くことに
バラは香りの成分によって自分自身の花びらがしおれるように仕向ける
遺伝子をあらかじめ組み込んでいるというのです。
つまり、香りが強いと花もちが悪いというのは
すでに遺伝子レベルでプログラムされているということなんですね。
強烈な香りをもつことは
自然界で生き延びるのにバラにとって得策ではなかったのでしょう。
こうなると、人為的に
香りの強弱をコントールするのは簡単ではなさそうですね。
花もちが悪くてもたくさんの花を絶え間なく咲かせることで
香りを保ち続ける、そんなバラもあります。
「アイズ・フォー・ユー」というバラは
それはそれは魅力的な香りを発します。
本当にうっとりとしてしまいます。
強く香るこのバラは
花もちが悪くすぐに散ってしまいます。
ひとつの花の香りははかなくとも、
次々に
絶え間なく花を咲かせ香りを持続します。
こんな香りの楽しみ方もあるんですね。
ところで
バラが特に強く香る時間や時期を知ってますか?
バラの香りを味わうために
時間や時期を知っておくといいですよ。
<よく香る時間帯・時期>
・時間帯
バラは早朝に強く香り、バラ本来の香りを楽しむのに適しています。。
とりわけ、開いたばかりの日の朝が一番香りが強いといわれます。
そんなバラの香りを楽しめるように
一部のバラ園ではバラの開花ピークの時期に合わせて、
早朝開園などのイベントを繰り広げているところもあるようです。
朝早く起きて
近くのバラ園に足を運ぶのもいいですよね。
自分の庭のバラの香りをかぐのがベスト。ですけれど。
・時期
バラの生育が旺盛な 4~5月・9~10月が香りが強くなる時期です。
四季咲き性の品種のバラは
春に一番初めにに咲く花と
夏剪定後の秋の一番初めに咲く花が
よく香るといわれます。
春は、休眠期にため込んだパワーが花の香りにも影響するのでしょうか。
秋バラを咲かせるために、剪定をしたり芽をかいだりするのも
香りをためこむためにいいのかもしれませんね。
一方香りの少ないバラもありますよね。
香りの少ないバラはダメなのでしょうか?
<香りの少ないバラはダメなバラ?>
花屋さんのバラはたいてい香りが弱い感じがします。
香りがあったとしても
クラシカルで爽やか。
強く香る感じがしません。
そのかわり、花がとても長持ちします。
先程の
香りが強いと花持ちが悪くなるというのと正反対ですね(笑)
花屋さんのバラは花姿の美しさに特化したバラが多いです。
切り花として改良された品種はあまり香りを重要視していないのでしょう。
花屋さんで流通しているバラは
いろいろなシーンに柔軟に対応できるように
つくられているのだと思います。。
花束として贈り物にしたりフラワーアレンジメント、
イベントに花を添えるためだったり。
香りが邪魔なこともありますからね。
例えば、
お見舞いに花束を持っていくとき
病室に飾るには強い香りはいりません。
むしろ、香りで気分が悪くなることもあるし
好みではないかもしれません。
また、イベント会場でたくさんの花が集まり
どれもが強い香りを発したら、
匂いで苦しくなるかもしれないですよね。
耐病性が強く花もちが良いバラを目指した結果
香りを失っていったのでしょう。
しかし、これはバラの利用を多様化していけるので
ダメなことではなく、よいことだといえますね。
<まとめ>
バラの香りをがどこから香るのか探っていくと
このようなことがわかりました。
バラの香りは基本的には花びらから漂ってくる。
強い香りを求め改良を重ねると耐病性や
花もちが悪くなるという性質がでる。
香気成分によって自壊するように
遺伝子にプログラムされていて
品種改良を左右するポイントとなっていること。
それでも、人々は、
香りも耐病性も花持ちも良いバラ品種への改良を
目指していくのだろうと思います。
よりよい香りをいっぱいに感じるためには
バラが強く香る時感や時期を知っておくことも大事でしたね。
バラに香りをつけた自然の思惑はなんだろうな、考えるときがあります。
虫を呼び寄せ子孫を残すためだとか
自衛のためだとかいわれています。
でも、本当は人を幸せな気分にさせるための香り付けしてるんじゃないかなって思うのです。
バラは
香りが強くても弱くても美しく咲く。
ずっとずっと
私たちを魅了していくでしょう。