この記事は約 15 分で読めます。
つるバラを育てている人にとって
誘引は1年間のお手入れの中でも
重要な作業の一つですね。
誘引は、冬の寒い時期の作業なので
多くの人が、たいへん!と思っています。
でも、その一方で
翌春の開花をイメージして誘引するので
楽しいと感じているようです。
ワクワクしちゃいますもんね!
それで・・・
つるバラの誘引の方法はどうするか、
なんですが
もとからあるバラの性質と
品種ごとの違いを考慮しながら行います。
何度かやっていくうちに
コツがつかめます。
それまでは
なんだか難しそうに感じますよね?
たとえば、
つるバラの枝がどんどん
のびてきたらどうしたらいい?
毎年 誘引を解いてし直しする?
限られた範囲に誘引する方法は?
こんな疑問を解消できるようなヒントを
書いてみました!
一人ひとり、お庭事情も異なってくるので
必ず当てはまるか分かりませんが、
疑問解消のヒントになるようにお伝えしていきますね!
ぜひ、最後までご覧になってください。
つるバラ誘引のパフォーマンス
翌春のバラと私たちのパフォーマンスを
最大に魅せるための作業、
それが「誘引」
まずはじめに、新しく購入したばかりの
若苗が伸びてきたらどうしたらいいのか、
そこらへんからお話します。
若苗の枝が伸びてきたけど邪魔だし、
もう誘引してもいいやろか?
本格的に誘引する冬まで、
まだ間があるんだけど
ダラ~ンと伸ばしたままでいいの?
枝は伸び続けるし、
花は咲かせないほうがいいらしいし。
困りますよね。
・
・
・
・
どうするか?
このように対処してくださいね。
長く伸びてきた枝はそのまま
できるだけ伸ばし続けます。
伸びてきた枝のことをシュートと呼び
これは、
翌春からの芽吹きに大切な枝なのです。
つるバラを今後どのように誘引するか
決める上で大事なんですね。
だから、できるだけ伸ばしたい枝です。
横に寝かせてしまうと節から芽が出てきて
そこから枝が伸びてしまい栄養が分散して
成長が止まります。
これでは長い枝は望めません。
なので、
真っ直ぐに支えながら伸ばしていきます。
ただし、
四季咲き性のつるバラは伸ばしていくと
つぼみがついてしまいます。
つぼみがつくと
枝の成長は止まってしまいます。
なので、
つぼみがついたタイミングでピンチします。
ピンチの場所は、つぼみ、3枚葉、5枚葉の
順に出ているので5枚葉の1枚目の下です。
そしたらまた、新しい枝が出てくるので
つぼみがついたら同じようにピンチします。
そうやって繰り返しながら
できるだけ伸ばしてから
誘引するようにします。
枝の伸び方は、品種で違うし、
育てている地域の気候やその年の気温で
変わってきます。
イングリッシュローズなどは、
日本で育てると背が高くなるのは
気候の違いからなんです。
日本のほうが暖かく背が高く育ちやすい
というわけです。
品種や地域による違いは、
枝を伸ばしてみると
わかるといいます。
枝のしなり具合や太さ、
どのくらいまで伸びるか
見極めるといいです。
それによって、誘引のデザインも
変わってきますから。
誘引の時期
誘引の前に誘引を解く作業がありますよね。
だけど、必ず誘引を解く必要もないのです。
どちらでもいいのです。
解かないで誘引するなら時期は
ちょっと遅めで大丈夫。
誘引を解かないなら
1月以降に伸びた枝の誘引をします。
落葉が進み、
むしり取る葉が少なくなるので
作業が楽になります。
誘引を解いて新しく誘引をし直すなら
12月下旬から1月中旬
遅くとも2月までには終わらせたいところ。
その理由は3つ。
・寒くなりすぎると枝がしまって固くなり扱いにくくなる。
・新芽が出ていることもあり、取れてしまうことがある。
・誘引で横に倒すことで養分が集中しよい花がつきやすい。
軽くレクチャーしますね。
寒くなりすぎると、木質化が進み
枝が固くしまってくるのです。
そのために、ムリに曲げたりすると
枝分かれで裂けたり
最悪折れたりするんです。
2月を過ぎると新芽が出ていることもあり
枝を動かしているうちに芽を傷つけます。
つまり、芽に気をとられ
やりにくい。
枝を横に倒して誘引する時期が
早ければ早いほど、
枝に日があたる時間が増します。
それによって芽に養分を集中でき
よい花が咲きやすくなる。
こんなわけで誘引の最適な時期は
12月下旬から1月中旬がいいといわれます。
どうしても2月過ぎてからの誘引になりそう…
そんな場合は、新芽に気をつけて
誘引してくださいね。
これをふまえて、いよいよ誘引です。
誘引する場所の広さには限りがあります。
そこにどのようにバラの枝を誘引するか…
方法をお知らせしていきますね。
つるバラ誘引方法の基本的な考え方
限られた場所に、美しく誘引するためには
知っておきたいバラの性質。
それは、頂芽優勢の法則です。
枝の先端にある芽の成長が他の芽よりも
優先される現象のことですね。。
頂芽優勢の法則に基づいて
誘引すると効果的に花を咲かせられます。
それでですね…この法則に基づいて
枝を傾けて横にして水平にしてやれば
それぞれの芽が一番先端にあると勘違いして
芽吹いてくるんですよね。
そうするとたくさんの花が咲くという
嬉しい結果となるのです。
実は、つるバラを誘引する理由は
頂芽優勢の法則を利用してたくさんの花を
咲かせるためでもあったんですね。
なので、斜めでも大丈夫ですが
できるだけ枝を横に寝かせて
誘引するのが基本になります。
立ち上がってきた枝を横に広げて
寝かせるように誘引。
これを頭に入れて
どんな風景にしたいか
イメージすることから誘引が始まりますよ♪
イメージを形にする
つるバラの誘引後のデザインを
イメージしていくんですが…
頂芽優勢の法則のほかに
考えなければならないことがあります。
それはつるバラの枝の性質です。
太くて硬い枝だと思ったとおりに
曲がってくれません。
イメージしたものが形になるかは
バラの枝が思ったとおりに曲がるか、
それが重要なカギになります。
そうやって考えると
枝を曲げてデザインしていく方法は
6パターンほどになります。
1.真横に広げる
2.ゆるやかに枝先をあげる
3.枝の先端を下げる
4.枝をまっすぐに立てる
5.立ち上げた枝を上の方だけ横に寝かせる
6.S字曲げを繰り返しジグザグにする
誘引したいつるバラが
1つ以上あったりしますよね?
その時は、必然的に
誘引方法をいくつか組み合わせて
つるバラの風景をつくることになりますね。
バラの品種で花つきが違ってくることも
ありますから、そこは考慮してくださいね。
1.真横に広げる
基本的な誘引方法で、低いフェンスにも
大きく広い壁にも向く方法です。
先端にも花が咲き
とてもゴージャスになります。
2.ゆるやかに枝先をあげる
花と花の間がゆったりとして
おおらかな感じのデザインになります。
間から見える壁や窓をも演出の一部として
演出したいときなどに効果的です。
縦に細長い場所の誘引に向いています。
3.枝の先端を下げる
枝を下げるために曲げたあたりに
花がよく咲きます。
しだれても花が咲くタイプのバラが
最もポテンシャルを発揮する方法ですね。
枝先からシュートはでないので
コンパクトな樹形に仕立てられます。
4.枝をまっすぐに立てる
枝をそのまま伸ばして誘引した形。
枝の中頃から下は、花が咲かないので
他のバラの枝と組み合わせて
楽しむ方法です。
枝が伸びるタイプのつるバラの先端に
花を咲かせるのもいいですね。
5.立ち上げた枝を上の方だけ横に寝かせる
上の方にバラの花が咲くようになります。
窓枠の上部などに誘引するときは
この方法になりますね。
また、他のバラや植物との組み合わせもなど
いろいろと応用がきく誘引方法です。。
6.S字曲げを繰り返しジグザグにする
縦に細長い場所にたくさん
花を咲かせたいときに向く方法です。
枝を曲げた場所と先端に花が多く咲きます。
アーチやオベリスクなどに誘引するときは
この方法です。
あまりに小さくクネクネさせると
枯れることもあるので
ゆるやかにしてくださいね。
バラは枝がしなやかで曲げやすいものを
選んでください。
以上6パターンの方法を紹介しました。
このような方法を駆使しながら
イメージを形にしてくださいね!
あまり難しく考えずに、枝を下げずに
できるだけ上方向にしながら、
壁面の隙間を埋めていく感じでOKですよ!
こうやって
限られたスペースに枝を模様のように
とめつけていく。
これは、もう「アート」です。
誘引に使う道具
作業で必要な道具は、
・ハサミ
・手袋
・脚立
・麻ひもなど結ぶヒモやビニタイ
ハサミは、麻ひもを切ったりするもの、
それから、誘引しながら
剪定するかもしれないので、剪定バサミも。
手袋をしたまま麻ひもを
結べないこともあります。
(さうびパパさんがそう)
なので、臨機応変で準備してくださいね。
脚立も必要ならば、お願いします。
記録をする
前年の誘引を解いてしまうと、
前の形がわからなくなります。
それで、誘引のレイアウトが
わからなくなったり
イメージがぼやけてしまったりします。
なので、スマホでパシャリ、と
記録を残しておくといいですよ。
翌年の誘引にも、とても役に立ちます。
日付も残るし、管理がしやすいです。
オススメです。
さいごに
つるバラは自立しないバラです。
自立しない枝は、か弱く
頼りなさげなものから
太くて硬いものまであります。
そんな枝を、私たちの手で
デザインして見事な花をつけるように
サポートする。
つるバラの魅力の一つかもしれませんね。
お日さまの光をいっぱい浴びながら
長く伸ばしてきた枝を誘引する。
つるバラならではの
風景を楽しみたいですね。
そのために頂芽優勢の法則を知り
つるバラの枝の性質を見極めます。
そして
デザインをイメージしていきます。
それを形にする方法は6パターン。
6パターンを組み合わせながら
限られた壁面を枝で埋めていく。
誘引を解いたりするのは
手間がかかるし、寒いし、
トゲで傷だらけになったりしてイヤ。
だけど
誘引していく作業はなんかいい。
夢があるんですよね。
まだ葉や花がついていない枝だけのバラも
よく見ると、アートですからね~
この姿で春までじっとして
一気に芽吹き、
花でいっぱいになるんですよ~
私たちも、この作業が終われば
お世話が一段落終了。
一息ついて、ゆっくりと春を待ちましょう♪