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シュラブのバラって柔らかい枝ぶりで
優しい印象のバラですよね。
クラシカルな花形の魅力に惹かれ
どんどん普及が進んだシュラブのバラ。
その一方で
・四季咲き性のはずなのに秋に花が咲かない。
・秋に枝がどんどん伸びるだけ。
・秋の花が少ないのは肥料が少ないせい?
・シュラブにも樹形がいろいろある?
という悩みや疑問が・・・
咲くと綺麗だけど気難しいお嬢さん、
というイメージでしょうか。。
気まぐれで秋に花をつけないの?
でも
そうやって敬遠しないでくださいね。
シュラブのバラって
とっても魅力的なバラなんですよ。
シュラブは「これ!」と
ひとくくりに説明しにくいほど
バリエーションに富んでいます。
木立ち性の樹形に整えたり
つるバラのようにアーチ仕立てにしたり
フェンスに誘引することだってできる。
気分やで気難しいお嬢さん的な
シュラブのバラ。
秋に花をつけなかったり、
枝が伸びすぎるのは
バラの品種改良の歴史に理由が・・・
そのへんを解き明かしていきますよ!
秋に咲きにくいワケは歴史にあり
バラはもともと4つの原種から
始まったといわれます。
ほとんどが一季咲きでつる性。
人々はその美しさと香りに魅せられました。
そして、
さまざまな交雑を試した結果
四季咲き性で直立するように
改良が進んだのです。
やがて・・・
ハイブリットティーローズが誕生します。
その後も花色のバリエーションを求め、
香りをたっぷりとふくんだ花びらの
枚数を増やしていきました。
それとひきかえなのか
もともとあった耐病性や樹勢が
失われていきました。
弱々しい品種が多くなってしまいました。
育種家は、これではいけないと思い
また、改良します。
バラのシュラブへの改良の歴史
遠い遺伝子の野生種系統のバラやつるバラと
交配し耐病性の強いバラの開発を
目指したのです。
ついに四季咲き直立型のハイブリットティーと
野生種系統を交雑親とした
シュラブのバラが生まれました。
耐病性、樹勢の強さに優れたバラの誕生です。
インクリッシュローズや
フレンチローズもそのひとつ。
ここで、また問題が…
たしかに、
耐病性、樹勢の強さは向上しました。
だけども、
交雑した野生種系統の親の性質で
完全四季咲き性をなくしてしまったのです。
だから秋に花が咲かないことがあるのです…
秋には枝が伸びるだけ。
花は咲かないことも。
ちょっとじゃじゃ馬なシュラブのバラには
こんな歴史があったんですね。
もちろんこれからの改良で
完全四季咲き性のあるシュラブのバラも
誕生するかもしれませんよね。
そんな歴史からか
シュラブローズを育てるなら
お母さんみたいに優しくあたたかい目で
見守ることが大事です。
こんなじゃじゃ馬シュラブのバラですが
私達が魅力を感じるのは
多彩なバリエーションの樹形を
もつからではないでしょうか?
多彩な樹形が魅力のシュラブのバラ
魅力たっぷりのシュラブのバラを
美しく仕立てたい。
そんな思いをかなえるなら
樹形を知るのが一番です。
オススメ品種も一緒に案内しますね。
バラはさまざまな基準によって
分類されています。
いろいろあるのですが、
家庭での観賞用バラの栽培では
下2つの分類を知っておくと十分だと思います。
・樹形を基準とした分類。
家庭での観賞用としてバラを育てるなら
樹形を基準とて分類したほうが
育てやすいと思います。
そちらの分類で説明しますね。
バラの樹形を基準とした分類ではおおまかに
・木立ち樹形(ブッシュ樹形と呼ぶこともあります)
・シュラブ樹形
・つる樹形
と3つに分けられます。
シュラブローズのバラの樹形は
もちろん、2番めのシュラブ樹形の分類に属します。
さらに、シュラブ樹形を分類すると
・直立型
・横張り型
・開帳型
・グランドカバー型
さて、気になるのは
それぞれの型の樹形の特徴と
オススメのバラ品種ですよね。
・直立型
特徴
枝は固くて自立するので
育てやすい品種が多いです。
四季咲き、返り咲き性の品種は
冬剪定で短く整えると
春はブッシュと同じ格好になります。
秋は必ず咲くというわけでもなく
咲いても花数が少ないかもしれません。
また、秋は枝がどんどん伸びるので
花が咲いとしても見上げるような高さで
咲くことが多いです。
夏の剪定の加減が難しいですね。
どこまで切るか…
そこが面白いところですけども。
枝がどんどん伸びるので
下の方に花がつきにくくなります。
このタイプはつるバラとして楽しむよりも
木立ちのバラに仕立てて
楽しむのに向いていると思います。
もしもつるバラとして仕立てるなら
段差剪定というテクニックを
使うといいですね。
ちょっと見は、
木立ち性(ブッシュ)のバラであっても
ハイブリットティーローズのように規則的な
開花サイクルで咲かないこともあります。
秋に咲いたら
もうけもの?って感じなので
咲かなくても心配しなくていいのです。
まあ、咲かないと寂しいですけどね(ToT)
・横張り型
特徴
枝が堅く横に張り自立し、
樹勢が強いので育てやすい品種が
多いです。
横張りが強いので内芽か上芽で
剪定するのがポイント。
鉢で育てるなら十分に枝を伸ばせるように
鉢と鉢の間隔をあけるといいですね。
多くの品種は枝先にしか花が咲かないので
段差剪定をしたほうが綺麗に咲きそろいます。
オススメはジャクリーヌデュプレ。
このバラは下から枝先まで花をつけるからです。
・開帳型
特徴
枝が柔らかくしなやかなので直立しても、
伸びるにつれ湾曲してしだれます。
優しいふんわりとした樹形。
イメージは水圧の弱い噴水のような感じ。
自立させたい場合は、
支柱を立てて枝を固定することを
おすすめします。
小さめのつるバラとしても楽しめます。
枝がしなやかなため花の重みでさがるので
花の顔をしっかり見せたいなら
トレリスに誘引するといいですよ。
・グランドカバー型
特徴
枝がしなやかで地面をはうようにのびます。
グランドカバー型のほとんどの品種を
つるバラとして仕立てることができます。
しだれても花がさくので
誘引しやすく初心者にオススメです。
以上、シュラブ樹形・4つの分類を紹介しました。
バラを購入するときや
バラを配置するときの参考になれば
嬉しいです。
どんな形でも楽しめる
シュラブローズ。
バラをフェンスにはわせて
楽しみたいけど
つるバラは大きすぎてちょっと…
そんな悩みも
シュラブローズならうまくいくかも。
小ぶりのつるバラのように仕立てて
楽しむことができますよ!
最後に。
歴史そのものが特性であるシュラブローズ。
樹形の特徴を知ると案外、
想定した花姿が造れそうですね。
気分やさんで気難しいお嬢さんの
シュラブローズは本当に
咲くの?咲かないの?ってやきもきします。。
プリンセスシャルレーヌドゥモナコを
我が家にお迎えしたはじめての秋。
枝が伸びるだけで花が咲かず
そうとう悩みました。
肥料が多かったのか、とか
肥料の時期がまずかったのか、と。
あとで、「シュラブのバラ」だからと
わかったときはちょっと安心しました。
分類によっては、
プリンセスシャルレーヌドゥモナコは
シュラブではないこともあります。
ハイブリットティーの半直立性のバラと
なっている場合もあります。
しかし、
私のところでは、
「シュラブの直立型」として育てるのが
正しい育て方だと思っています。
ところによって違う性質を魅せる
シュラブのバラ。
育ちたいように育っていくので、
困ることも多くあります。
私たちは、育ちたい力を助け
うまく育つように仕向け見守る。
まるでお母さんと子供、、、ですね。
こちらではシュラブのバラの樹形を
細かく紹介しました。
バラ全体の樹形は
こちらのページで↓↓確認してくださいね。
バラの樹形が景観を作るポイントになる