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庭を回ってバラのパトロールのとき
水やりのときにサーッと見るとバラの異常って見つけたりします。
バラのお世話をしているとき発見するんですよね。
こんな症状。
バラの枝が黄色くなったり茶色くなったり、もっと進んで黒くなってたり、斑点があったりして。
青ざめたことありませんか?
緑色で、健康だった枝が。。。
黄色に、
茶色に、
黒色に、
赤色に変色
気味悪い、どす黒い斑点ができている。
これって
病気?
他のバラにも広がるの?
そのままでも大丈夫?薬剤?
切った方がいい?
なんてことが
頭の中を駆け巡りますよね。
そこで、
どういったときにバラの枝が変色するか?
どうしたらいいか。
考えられる原因などについてお伝えしたいと思います。
バラの枝が黄色や茶色、黒く変色しているなら放置は厳禁。
バラの活動期に枝が黄色や茶色くなって芽も出ていない枝先は、元気な枝が出ているところまで下ってカットします。
たいていの場合、他のバラに広がることもないし、薬剤の散布も必要ありません。
バラの枝が黒く変色している枝も同じようにカットしてください。
バラの枝が黒く変色するのは、新芽が出ると期待してカットしたにもかかわらず、芽が出ないときにおこります。
芽がでず枝も葉もないと、「水や栄養を供給しなくていい」と、バラが判断するんですね。その結果、水や栄養の供給が止まってしまい枝が黒く変色し、やがて枯れていきます。
そのまま放置すると、黒ずみがどんどん広がっていき、とうとう株元まで真っ黒くなってダメにしてしまいます。
見つけたらすぐにカットを心がけましょう!
それだけを気をつけていれば ほぼ大丈夫です。
枝が赤くなっているケース
秋に花が咲いて寒くなると枝が赤くなってきます。これはバラが栄養を枝に貯めてきた証拠で健康なしるしです。
そのまま放置して冬の剪定や誘引をしましょう。
冬の休眠期に黄緑色をした枝は、あまり栄養を蓄えていないことが多いです。残しても、いい芽が出なかったり新しい枝が出なかったりします。
なので、冬の剪定のときに付け根から切り取ることをオススメします。
ただし、例外があって冬の時期になっても、赤くならないものもあります。
例えば、ルシエルブルー、わかな、アイスバーグ、マダムビオレ、ティケネ、レヨンドゥソレイユ、レモンフィズ、エレガントレディ、しののめ、クリスティアーナなどがあります。
冬でも青みがかるのは元気なしるしですが、例外の品種であっても黄色くなる枝は、よい枝ではありません。
この写真のように、バーガンディアイスバーグは休眠期でも緑色のままです。
バラの枝や茎に黒や紫の斑点が冬に現れるケース
斑点が冬にでるのは「凍害」です。
特に対処の必要はなく、寒冷地以外では暖かくなると目立たなくなります。
茎の中に水分が多いとき、急激な寒さに数日さらされると茎や枝に黒い斑点ができることがあるんです。
黒星病と間違えそうですが、黒星病はカビの一種。冬の寒い時期には感染が広がらないのが普通なんですね。
青系の品種に起きやすいといわれますが、我が家ではグラハムトーマスにでていたのでその限りではなさそうです(写真はグラハムトーマスです)
バラの枝に「凍害」が現れる例を紹介しますね。
1.四季咲き性の品種やシュートの発生が旺盛なタイプのバラ
2.秋にシュートが多く出た場合
3.四季咲き性の品種や枝の更新が頻繁な秋に水やりが多めだった。
4.バラの環境の変化(温暖→寒冷)
詳しく説明しますと、
1.四季咲き性の品種や新しいシュートが多く発生して更新していくタイプは、秋にもドンドン若くて新しい枝を出します。
若い枝は、まだ未熟でみずみずしく水分を多く含んでいることが多く、凍害をおこし結果として斑点が現れれるんです。
2.秋にシュートが多く出た場合も同じです。枝に水分が多く残っているために凍害が出ることがあるようです。
3.四季咲き性やシュートの更新が頻繁な品種、秋にシュートがたくさん出たバラに多く水をやると枝に水分を多く含んで「凍害」が出やすくなるんですね。
なので、冷え込む前の水やりは控えた方がいいですね。
4.比較的気温の変化がない場所から、急に寒い場所人移したときも症状が出ることがあります。ちょうど、剪定誘引の時期なので場所を変えたりすることもありますよね。
凍害がでたら、注意して観察してみてくださいね。
というのも、
凍害がひどいと枝枯れすることがあるんです。
寒冷地では防寒をしておかないと普通の品種でも凍害でダメになることだってありますから。
寒さに強い品種をお迎えする方がいいかもしれません。
調べてみてわかったのですが、植物が氷点下でも 生き延びるための仕組みはすばらしくよくできているんですよね。
植物の細胞と細胞の間には水蒸気があり、気温が下がると その水蒸気が氷になるのだそうです。細胞内の水は細胞外にできた氷に引きつけられて、細胞外へどんどんでていくのですが、そのために細胞内の体液?は濃度が濃くなって凍結しなくなるんだそうです。
そうはいっても
氷点下の冬を耐えるバラ科の植物は、氷が細胞外のどこにでもできるというわけではありません。限られた場所にしか氷ができないのです。
逆に言えば、氷を作らない場所があるんですね。その場所というのは花芽の中。
バラ科の植物は、花芽の中には全く氷を作りらないのです。
生存するためのシステムというのは本当によくできていて水分は、芽や葉になる冬芽を包んでいるうろこ状の芽鱗片(萼)の内部や花芽の皮層の部分移動するんです。
そのため花芽には氷ができない。
水がなければ凍らない、というわけですね。
これは「器官外凍結」と呼ばれています。
バラの枝が黄色や茶色、黒色に変色してしまう原因と対策。
バラの枝が黄色や茶色、黒色に変色しているのは、つまり枯死に向かっている、ということ。
どういう場合にそうなりやすいかというと、根の調子がよくないことが多いです。
掘り上げて根を見ると 真っ黒で白根がなかったりします。なので、バラが根の状態から水や栄養を全部に供給できない。
不要な枝への供給をストップした、と考えます。
不要な枝というのは、芽や枝がない枝、ということになります。
バラには、芽や葉がない枝は、水も栄養も必要ないものとして供給をストップするというシビアな機能があるんですね。
私たちにできることは、不要な枝を切って根の負担を軽くしてあげることなんです。
バラのよい枝を見極める方法
バラのどこを見て よい枝を見極めたらよいでしょう。
冬の本格的な剪定のとき、どれを切ってよいのか迷いますよね。
よい枝の見極め、4つのポイントをご紹介します。
色、つや、しなり、節と節の間の長さなどで見極めるんですね。
1.色
春から夏の生育期には緑色したみずみずしい枝がのびてきます。
花を咲かせ やがて秋になり寒くなりだすと 枝に栄養を蓄えてきます。
光合成によって作られた栄養がしっかりと蓄えられると枝が赤茶色になるんですね。
(例外あり)
たいていは赤くなった枝は健康な枝だと判断されます。
2.つや
表皮につやがある枝はよい枝の条件となります。
枯れた枝は、つやがなく干からびたようになったり、縦じわが入ったりします。
こうなるといい枝とはいえませんね。
よい枝はパンと張りがありつやつやしています。
3.しなり
バラは寒さのために活動を止めるようになります。そうすると枝の細胞の水が減りリグニンによって細胞壁を硬くして折れにくくなります。
ある程度油分も持つため、柔軟にしなる枝になります。
そうやって、冬を越すのに十分な枝になっていくんですね。
4.節間の長さ
芽と芽の間を1節とかぞえます。
よい枝は節間が長いといわれます。栄養の少ない古枝から出た枝は、長く伸びきれずに節間が短くなることが多い。
そのため、枝がジグザグになって樹形を保ちにくくなります。
よい枝によい花が咲きます。
よい枝を見極めて剪定をしていきましょうね!
切った後は、切り口に殺菌剤入りのゆ合促進剤のトップジンMペーストを、塗っておきます。
バラの枝が黄色や茶色に変色したときの対処法のまとめ
バラの枝が黄色、茶色、黒色に変色したら、要注意
緑色で元気な枝が出ているところでカットします。
冬の休眠期に枝が赤くなるのは健康な証拠です。
そのまま見守りましょう。
ただし、休眠期でも青みがかった緑色のままで赤くならない品種もあるので気をつけてくださいね。
冬に黒い斑点が出るのは「凍害」です。
放置していても暖かくなるころには消えるので大丈夫です。
ただし寒冷地では「凍害」をおこし、そのまま枯れることもあるので防寒の対策をしてくださいね!
我が家でも、冬に土の入れ替えができない年がありました。
そのときは、寒肥もできず芽出肥もできたりできなかったり、でした。
冬の作業がきちんとできてないと、スタートにバラツキが出てきて同じように管理できず、花の付きもよくなかったように思います。
その年は、枝の黄変や茶色く変色したものが多く出ました。
冬に掘り返して根を観察すると黒くなり白根がほとんどなくて、つらかったんだね、と心からすまない気持ちになりました。
バラは、やっぱり肥料と適切な水やりが必要なんだな、と感じました。
枝が緑色で健康に育つために管理は必要ですが、変色した枝をそのままにするのは危険でもあります。
この記事が見極めの参考になれば嬉しいです。