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バラの癌腫の完治は困難。感染を広げないための2つの方策

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バラの癌腫といえば・・・

バラの株の地際にある大きなコブだったり
植え替えのときに土の中の根に
見つけたりします。

 

 

私たち、バラを育てて楽しむ者たちが
息を飲む瞬間です。

「あ!」って、凍りついてしまうのは
バラの癌腫は完治が難しいからです。

調べると処分したほうがいいとか
治療できるとか
たくさんの情報がでてきますよね?

バラの癌腫。完治は難しいがやるべき2つのこと

何を信じていいのかわからず
多くの文献や研究論文を読みました。

結論から言って
この病におかされたバラは、完治しません。

どうしてバラの癌腫は完治できないか?

 

 

癌腫の特徴や腫瘍と呼ばれるコブの
形成のメカニズムをたどると
完治しないんだ、と思わざるを得ません。

 

治療方法がありそうなのに
なかなかこれ!
というものがないみたいです。

 

とても、もどかしいですよね。

 

 

完治できないからこそ
私たちが選択するべき2つの方法

・他に感染しないように育てる
・正しく処分する

ということしかお伝えできないのが
なんとも歯がゆいです。

 

育てているバラが癌腫になったとき
癌腫になってなくても、
心構えや対処方法など参考になれば嬉しいです。

 

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癌腫は治らない、それならどうする?

 

本当に残念ですが癌腫になったバラは
完治しません。

たくさんの方々が研究してきた文献を
読んで、強くそう思いました。

 

調べるほどに、書いてあることが
わずかながら違ってたりします。

 

たとえば

日本中の農地に広く分布している、
とか、そんなことはない。とか

こんな基本的なレベルのことが
まだ、あやふやで
私たちには伝わっていません。

 

だからこそ、
バラの癌腫の完治は難しいのだと
感じました。

そんな中でも、すでにわかっていることも
あるのでお知らせしますね。

 

癌腫の特徴

癌腫の病原菌は
アグロバクテリウム・ツメファシエンス。

 

特徴を紹介しますね。

細菌類ですが糸状菌とは違い
胞子は作りません。

 

14~34℃が好適温度で51℃、10分で
死んでしまう。

感染力は弱く空気感染しないけれども
3年は生存します。

 

また、バラに傷がつかなければ
感染しません。

つまり、傷から感染していくのです。

 

桿菌と呼ばれる細菌類で
1~3本の鞭毛で運動しています。

空気がないと生きられない好気性菌。

感染力が弱いというのが
せめてもの救いと言えましょう。

バラの癌腫の画像

 

癌腫感染のメカニズム

普通、バラは傷がつくと
アセトシリンゴンという化合物を出します。

それに
菌が集まるのだそうです。

 

そしてこの癌腫菌である
アグロバクテリウム・ツメファシエンスが
次に行うことは…

 

感染するとバラの細胞の遺伝子に
自分の遺伝子を組み込んでいきます。

そうです!
自分で遺伝子組み換えをやるんですよ。

 

遺伝子組み換えが
アグロバクテリウム・ツメファシエンスに
とってどのように有効に作用するのか。

不思議に思いませんか?
なんのために?

結局、自分のためなんですよ…

 

どこかで傷がついて感染すると
癌腫菌を組み込んだ遺伝子が
ホルモンを操るようになります。

 

植物は全体を指揮する
脳という組織がないです。

そのためホルモン濃度が
複雑に作用しあって
枝になったり根になったりと分化します。

 

ホルモンの濃度で枝にも根にもならない
未分化の物質を増殖するようにしむけ
地際にコブを作り腫瘍となるのです。

 

本来なら、植物は異質なものが入れば
自分を守るためにいろんな働きをします。

ですが
その力さえも思うままに排除してしまうのが
癌腫病なのです。

しかし、腫瘍には、
病原菌が集まっている
というだけはなさそうなのです。

 

コブ(腫瘍)=病巣というだけではない

アグロバクテリウムツメファシエンスは
主に

・細胞を増殖させコブを作る。
・オピンを作る

この2つができるように
遺伝子を組み換えてしまいます。

 

 

膨らんでいくコブの中では
バラの生育には全く必要のない物質
オピンを合成。

 

アグロバクテリウム・ツメファシエンスは
オピンを分解して栄養とします。

 

 

要するに

アグロバクテリウム・ツメファシエンスは
遺伝子をバラの細胞内に導入することで
強制的にオピンを作れるようにします。

バラの体内に腫瘍の形で増殖し
作り出したオピンを自分だけが利用し
繁殖していくと考えられています。

 

自分は土の中にいて、
コブで作らせたオピンを分解して
生育に利用しているのです。

したたかに生きる癌腫菌は
まだわかっていないことも多く
防除や治療の方法は確立していません。

 

こう聞くと
とっても怖くなってしまいますよね。

 

だけど、
アグロバクテリウム・ツメファシエンスも
土の中に敵がいるのです。

有機土壌では、たくさんの有用微生物によって
食べられてしまい生きられない。

 

 

ヤツも仲間がたくさんいないと
太刀打ちできないようです。

感染したら完治しないのならば
アグロバクテリウム・ツメファシエンスの
感染を予防するしかない。

そういう土作りも大事になってきます。

 

どうして癌腫は完治できない?

コブの中に病原菌の栄養がつまってるなら
それを取り除けばやがて死んでしまうと
考えたいですが、そんな簡単ではないです。

 

コブができる頃にはもうすでに
たくさんの病原菌がいますし
生存期間が長いので他の細菌に比べて優位です。

 

アグロバクテリウム・ツメファシエンスは
遺伝子レベルで悪さをします。

かといって、感染したバラのすべての
細胞の遺伝子を組み換える
というわけでもなさそうなんです。

 

部分的だったりするみたい。

これも細かく遺伝子を調べてみないと
わからないのですが

遺伝子レベルなので目に見えず
癌腫病の防除は手探り状態になります。

 

 

治療→再発なし=治った

または

治療→再発=治っていない

という判断しかできない、
というのが現状です。

 

だから完治した、と断定できません。

この病気がさらに恐ろしいと
思わせるのは、他のバラに感染すること。

 

傷から菌が入り込むっていうのだから。

剪定や害虫類の食害で傷がつきますし
バラは切って接ぐ「接ぎ木苗」で
流通していることが多いです。

いろいろ調べましたが

まずは感染を他に広げないこと。

これが一番重要だと考えます。

 

その方策は、いまのところ
2つしかないと考えています。

 

感染を広げない2つの方法

癌腫病の感染を広げないためには
次の2つの方法があります。

・他に感染しないように器具の消毒をする
・正しく処分する

という2つの選択。

 

癌腫の病状というか進み具合で
対処の違いがあります。

癌腫の腫瘍があまりにも大きいとか
掘り上げたら無数の根の途中に
無数のコブができていたとか。

 

こういう場合は
正しい方法で処分したほうがいい。

そのほうが安全だし、
癌腫の感染におびえるという
ストレスから開放されます。

楽しくバラを育てたいですものね!

 

正しい方法で処分する

アグロバクテリウムツメファシエンスは
3年生きるといわれます。

 

癌腫を見つけ、掘り上げても
切れ切れになった細根は残り
残留細菌となっていき続けるのです。

なので、
細根まで丁寧に取り除きます。

 

掘り上げたバラの正しい処分方法は焼却。

それで
菌は完全に死滅できます。

決して葉や枝を放置しないように。

 

 

焼却できない場合は
アルコールなどを吹きかけて殺菌したあと
袋にいれてゴミに出すようにします。

焼く、または殺菌して袋に密封して処分する。
これが正しい処分法です。

そして、
ハサミやスコップなどの器具の消毒を
忘れないように。

 

バラを抜きとっても
土には菌が残っています。

地植えならば抜きとったあと
一株あたり逆性石けん3000倍液を1リットル
灌注すること。

念を入れるならば
3年以上植えないほうがいいです。

病原菌が死滅するのを待つのです。

鉢植えならば、
土は捨ててください。

鉢土を広げて天日乾燥すると
菌は死滅するようですが
安全のために処分したほうがいいです。

 

焼却しないならば方法は
次のとおりです。

 

ほかに感染させないように注意する

せっかく育ててきたバラを
処分できない、という気持ち、
よくわかります。

 

処分せずに育てるなら方法もあります。

 

リスクはもちろん、あります。

 

方法は。。。。

とても抽象的な表現ですが
ほかに感染しないように注意する
しかないです。

しかし、病気の発生が初期で
コブも少なくバラの樹勢も衰えていない、
などのときの対処法と思ってくださいね。

 

 

地植えなら掘り上げて
植木鉢で育てることはできます。

掘り上げて
コブをカッターやナイフで
削り取って木酢液などを施し植えつけます。

 

植え付けるときには
土は全部取り払い新しい土を使ってください。

それでも再発可能性はある
思っていてくださいね。

 

そして
ハサミやスコップなどの器具は
消毒します。

消毒の方法は
逆性石けん(3000倍希釈)に漬け込む。

癌腫のバラの花がら切りや
剪定などで使った器具は
その都度消毒。

 

逆性石けんは
・ベルコニン液P
・オスバンS
・サニテートTG
という商品名で販売されています。

薬局やドラッグストアで
エタノールや精製水などと同じ棚に
並んでいることが多いです。

 

ハサミなどの器具類の消毒は
必ず使用の前後に行ってください。

これで、感染リスクを減らしましょう。

 

癌腫とうまく付き合いながら育てるには
この方法しかありません。

 

だけど

2つの方法はどちらも
決定打とは言えません。

 

なので、
様子をみながら判断してくださいね。

 

このように
かかると不気味で怖い癌腫病ですが
実は、この技術を利用して生まれたのが
青バラ、だということは知ってましたか?

 

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癌腫菌の技術で生まれた青バラ

 

青い色素の遺伝子を持たないバラ。

そのために青バラを作るのは
バラ愛好家や育種家たちの夢です。

 

それをかなえたのが「サントリーの青バラ」

ほとんどの人が知ってる
遺伝子組み換えの技術を使って誕生しましたね。

植物に遺伝子を組み入れる方法は
いくつかあります

その技術の一つに
アグロバクテリウム法があります。

これを使って作られたのが
青バラでした。

もちろん青バラは癌腫の
病原菌としての力は
取り除いてありますからご安心を。

 

癌腫菌として忌み嫌われていた
アグロバクテリウムツメファシエンスも
このような場で活用されていたんですね。

 

地植えではもう育てられない?

一度癌腫を発病した土では
バラを育てられない。

3年は植えられない。

確かにそうなのですが方法はあります。

それは多くの農家が行っているという
土壌消毒。

癌腫病原菌の撲滅に
かなり有効だといいます。

 

しかし、一般家庭でこの方法が
うまくいくかどうかは
正直わかりません。

 

完治困難な癌腫の感染を防ぐ2つの方法

 

バラの癌腫の完治は難しいことを
お伝えしてきました。

バラ園芸家も育種家の方々も
癌腫の治療や完治について
多くを語りません。

 

バラ苗生産者から癌腫を患った苗を
購入しなければ、
私たちは癌腫を知らずにすむことなのです。

むしろそう願いたいですが
現実には癌腫を発症することがあるのは
紛れもない事実。

 

完治が無理なら私たちに
できることは2つです。

正しい方法で処分する

ほかに感染しないように上手に
付き合いながら育てる、しかないです。

 

そのためにも
「器具類の消毒」は必要ですね。

これは癌腫菌に関わらず
習慣的にやるといいです。

 

 

それにしても
癌腫菌の特質を利用した遺伝子導入法で
青バラを作ったというのは興味深いですよね。

 

植物もしたたかに生きていますが
人間も間違いなくしたたかですよね(笑)

転んでもただでは起きない、
いい意味でそんな技術革新を続けてほしいです。

 

癌腫病との付き合い方は、他にも
オロナインで治ったとか
銅の釘を打ち込むなどがありました。

みんな困って悩んで
いろいろやってきてるんだなと感動します。

 

たくさん調べる中
これは!という方法にも出会いました。

新しい方法かもしれません。

なので、今度癌腫病を発見したら
やろうと思っています。
(発見したくないですが)

商品名を書くのは控えますが
次亜塩素酸水+木酢液を使う方法です。

 

この記事をご覧になってる方々の中には
「アレね」っていう人もいるかと思います。

しかしながら、その商品ではなくて
一般的に販売されている次亜塩素酸水と
木酢液を使ってみようと思っています。

濃度など難しいと思いますが
チャレンジです!

ひと手間ですが
ハサミやスコップの消毒は
やっておくほうがいいみたいですね!

さあ!今日も頑張りましょ!