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バラの花が咲く
といろんな虫たちが集まってきます。
ハチたちもなにやら
忙しく飛び回っています。
ミツバチやマルハナバチは
バラに花蜜がほとんどないのことは
知っています。
花粉を集めにきているのです。
幼虫に与えるためですね。
そんなハチの仲間で、
お腹がオレンジ色したのが
フラ~っと飛んでいるのを
見たことありませんか?
花は興味ありませんよ、って感じで
飛んでいるのはチュウレンジハバチです。
チュウレンジハバチは
幼虫にエサを与えたりしません。
バラにくるチュウレンジハバチはどんな虫?
チュウレンジハバチの成虫は花蜜を食べますが
バラは花蜜がほとんどないので
見向きもしないのです。
いっぽう、チュウレンジハバチの
幼虫は花粉を食べません。。
チュウレンジハバチにとって
バラは蜜もないし花粉も必要ないから
魅力ないわけです。
なのに、バラに集まってくるのには
わけがあるんです。
チュウレンジハバチが
茎に止まって逆さになって
じっとしていることありますよね?
バラの茎に卵を産み、
幼虫は葉を食べるのです。
幼虫は集団で
ムシャムシャと食べてしまうのです。
葉が硬い葉脈だけの姿になるなんて
ガッカリですよね。
チュウレンジハバチは親子で
バラに悪さをする虫として
愛好家から嫌われています。
チュウレンジハバチが産卵したら?
いや、産卵前のチュウレンジハバチを
駆除できないか?
チュウレンジハバチの被害の様子や
発生時期や対処の方法、予防など
お伝えします。
被害が拡大する前に対処して、
バラをチュウレンジハバチから
守ってくださいね。
チュウレンジハバチの被害の見分け方
バラが次のような状態になっていたら
チュウレンジハバチの仕業と思ってください。
茎が縦にパックリ裂けている
葉が端っこから食べられている。
などの様子がみられたら、
間違いないです。
茎が縦に裂けているとことがあれば
産卵したあとで めくれたようになっていれば
卵はかえっていてどこかで葉を食べているかもしれません。
緑色の幼虫です。
発生時期
4月から11月。年に3~4回発生。
土の中でサナギの状態で冬越しして
4月ごろ成虫となって現れます。
体長は1~2cm
オレンジに近い黄色のお腹の
チュウレンジハバチが
バラの茎に逆さになって産卵。
卵は1回に30~40個くらい。
縦2列で並んでいます。
1週間でふ化し、集団で葉を食べます。
幼虫はイモムシの形をしていて
体長は8~15ミリ。
頭は黒色、体は緑っぽいです。
黒い斑点が見られることもあります。
3対の足で葉をつかんでお尻を持ち上げて
逆立ちして食べている様子は
ちょっと笑えるような…
もっと楽してたべたら?
と思ったりします。
いやいやいやいや…
食べてるのはバラの葉だってば。
許してはいけません。
食欲旺盛で
葉を余裕で食べ尽くしちゃいますよ。
そのままにしていたら
バラが丸坊主になるので対処しましょう。
チュウレンジハバチ対処法
あたりまえですが
成虫と幼虫では対処法が違います。
成虫の対策
産卵中はちょっとのことでは
飛んでいかないので、
手で捕まえることができます。
お尻の管を茎に刺して産卵します。
けっこう深く刺しているのか
つかんで引っ張ると胴体で
ちぎれることがあリます。
びっくりしないでくださいね。
この管で人を刺したりしないので
安心してくださいね。
産卵されてしまったら?
成虫は、飛んできて卵を産み
幼虫の食料としてバラを利用するだけ。
産卵あとを見つけたら、
爪楊枝や針でなぞって
卵をつぶすことをお忘れなく。
成虫を薬剤で
完全に駆除するのは難しいと思います。
幼虫の対策
葉の裏に集団で集まっていることがあります。
集団で食べていたら、葉ごとちぎって
ビニール袋に入れゴミとして処分。
大発生していたら薬剤散布。
育てているバラの数で違うかもしれませんが
活動を始める春に、
一定期間、定期的に散布するといいです。
あとは日々のお手入れのときに
捕殺すると大丈夫。
チュウレンジハバチの効果的な薬剤は?
オルトラン粒剤・サンヨール・ベニカXシリーズ・ベニカR乳剤・スミチオン乳剤など。
チュウレンジハバチの駆除だけを
目的にするのではなく
害虫全体に効くように考えて散布します。
年間の薬剤のスケジュール
春、一番はじめに
アブラムシが動き出します。
アブラムシを見かけたら、
ハンディータイプのベニカXシリーズをスプレーします。
そして、できれば
速効性のあるベニカR乳剤を散布します。
これで
チュウレンジハバチの大発生の予防も
兼ねるはず。
その後、
浸透移行性のオルトラン粒剤を株元にまき
チュウレンジハバチの幼虫の大発生を防ぎます。
(1ヶ月ほど効果が持続する)
そのころ同時多発的に
活動を始めるバラゾウムシも
あわせて退治したいもの。
ベニカR乳剤やスミチオン乳剤、
殺虫殺菌効果のあるサンヨールを
ローテーション散布して対策します。
これでだいたい、春先の害虫対策が終わりです。
あとは、テデトール、フミツブースで対応。
局所的は発生はハンディータイプの
ベニカXファインスプレーやベニカXネクストスプレーで対処します。
チュウレンジハバチだけでなく、
他の悪さをする虫たちと合わせて総合的に
対策するのが効果的です。
このような薬剤は、ホームセンターや
園芸店で購入できます。
たいていは液体なので
重いから嫌だな、っていう場合は
楽天市場などでネット通販で入手できますよ。
被害の予防
完全な予防はできないまでも、
いくつか対策があります。
薬剤散布で幼虫を一網打尽にするような
強力な方法ではありませんが、
コツコツとやるといい方法を紹介します。
茎に黒マジックで線を書く。
笑っちゃいますが
チュウレンジハバチは
1本の茎にマジックで産卵あとに似せて
線を書いておくと産卵後の茎と思うようです。
先客がいる、
ということで卵を産まないのだとか。
だけど、
同じ茎に産卵跡を発見することも結構あるので
気休め程度かも。
黄色い粘着シートを吊り下げる
羽のはえたアブラムシやスリップス対策で、
黄色の粘着シートをさげていたら、
チュウレンジハバチもくっついてました。
たまたまかもしれませんが、
何もしないよりいいかも。
ちなみに、この黄色い粘着シート
雨が降っても大丈夫なんですよ。
アジュガを植える。
紫の花を咲かせるアジュガ。
アジュガを「おとりプランツ」として
植えておきます。
どうやらチュウレンジハバチは
この花の蜜がお好きのようですね。
アジュガの花が終わるとチュウレンジハバチは
バラに集まってしまうんです。
その前にアジュガを消毒して、集まっている
チュウレンジハバチを
一網打尽にしなきゃなりません。
アジュガをおとりプランツとして利用するには
アジュガに薬剤をまいて殺虫しなければ
意味がないです。
「おとりプランツ」はやり方を間違えると、
虫を呼び寄せるだけになってしまうので
気をつけなくてはなりません。
消毒しない方針なら
アジュガを植えないほうが
ストレスにならないかもですね。
チュウレンジハバチに産卵させないために
チュウレンジハバチに
産卵させないようにするために
成虫の駆除が必要。
しかし、完全駆除は無理です。
成虫には頼みの綱の薬剤散布の効果は、
望み薄です。
あまりないと思ってください。
できることは限られています。
○茎に黒マジックで線を書いておく。
○黄色い粘着シートを下げる。
○アジュガを植える。
など地道にやっていきましょう。産卵中は長時間ピクリとも動かないので
手でつかんで退治することも必要ですね。
幼虫の駆除は、集団で食べているなら
葉ごとちぎってビニール袋に入れて処分。
局所的に発生したなら
ハンディータイプの薬剤で駆除。
そして、他の害虫の駆除を考え合わせて
薬剤のローテーション散布で対処する。
このような方法で、
チュウレンジハバチに対応しましょう。
チュウレンジハバチは
他の虫の駆除と合わせて対策すると
大発生はみられないように感じます。
これもやはり
日ごろの観察で早期発見すると
大事にいたらない、といいますか、ね。
さあ、今日も頑張っていきましょ!