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カイガラムシは、バラの樹液を吸う害虫です。
白くて丸いのがピタッとはりついていたら
それはカイガラムシです。
大発生する前の対処が大切
カイガラムシがどんなものか、
知らない人は
え?これって虫なの?
バラの枝の柄、ていうか模様じゃないの?
見ているのに気づきもしなかった、
ということもあると思います。
中には全く気にとめてない人もいるでしょう。
なにも悪さをしていないかのように
じっとしていますからね。
まるで海岸の岩場のフジツボや
マツバガイのように。
実は、カイガラムシ、
じっとしていないものもあるのですよ。
何もしていないように
見えるくらい動きが遅いんです。
大発生するとバラが弱ります。
そうならないように駆除。
そう。歯ブラシを使います。
簡単で効果の高い駆除の方法なんですよね。
ブラッシングがなぜ有効なわけは
カイガラムシの生態がわかると
なるほど~と納得するはず。
そしてカイガラムシの駆除のコツが
つかめると思います。
そのほか、薬剤は使えないのか
効果的な駆除の時期や薬剤はなにを使えばいいか
についてもわかりやすく説明したいと思います。
どうぞ最後までご覧になって
駆除のコツをつかんでくださいね。
では、はじめに
生態と被害の症状を詳しくお伝えしますね。
バラのカイガラムシの生態
カイガラムシは
400種以上といわれ700~800種とか…
その中で、バラにつくカイガラムシは主に
バラシロカイガラムシ。
バラシロカイガラムシは年2回発生します。
成虫メスは受精卵を身体に宿したまま越冬し
暖かくなった4月に産卵。
ふ化したすぐの幼虫は
足があり動き回ることができます。
歩ける時間はほんのわずか。。
茶色い小さな小判のような楕円形の虫です。
やがて、メスは固着場所を決め
そのころ成虫となります。
固着場所を決め脱皮した成虫になると
足がなく もう動けません。。
自分で場所決めをしてお食事。
食事はきぬ糸のような細いストローを
バラの茎に刺し栄養分を吸いとるという方法。
そして背中にある肛門から
余った養分と排泄物を出し
身体を覆いつくしてその中で過ごします。
これはロウのような物質で
介殻とよばれています。
白い円盤状になるのはそのためなんですね。
丸くて白いもの全体が
虫本体だ思っている人も多いと思います。
実は、丸く白いのはロウは
余った養分と排泄物だったんです!
そして、
ロウの中に茶色っぽいカイガラムシがいる。。
ロウに守られながら一生を過ごすのです。
ここまでは、メスのカイガラムシの話。
オスの幼虫は
幼虫はロウのような白い分泌物を出しながら
わずかの期間歩きまわります。。
細長い分泌物の端っこに茶色く見えるものが
カイガラムシのオスです。
オスの幼虫は、ロウのような
分泌物の中でサナギの時期を過ごして
コバエのような羽のある成虫になります。
オスとメスの姿が全く違うなんて
驚きですよね。
カイガラムシの近くを
飛んでいるコバエ、
それはカイガラムシのオスかもしれませんよ。
メスがフェロモンを出し
オスと呼び寄せるのだとか。
オスの寿命は数時間から数日と短く
その間飲まず食わずで過ごし(口は退化)、
交尾を終えたら死んでしまうのです。
メスも交尾後、
白いロウをかぶったままで卵を産むと
死んでしまいます。
卵は白いロウに守られて
やがてふ化。
次の世代になるというわけ。
受精卵を身体に宿し、
産卵していないメスは越冬しその後産卵。
卵は4月にふ化します。
その後6~7月に第1回の成虫となり、
同じプロセスで8月下旬~10月に
第2回めの成虫が発生します。
バラのカイガラムシによる被害
バラのカイガラムシの被害とは
どんなものでしょうか?
・汁を吸う
・美観が損なわれる
というところでしょうか。
とても小さい虫ですが、
それでも
大量のカイガラムシに汁を吸われると
やはりバラの体力も衰えます。
たくさんの栄養分を含んだ管から
汁を抜きとってしまうのですから
たまりませんよね。
カイガラムシを駆除する方法は
次のような方法があります。
歯ブラシによる駆除
カイガラムシを駆除するには、
歯ブラシを使います。
かんたんで効果的な駆除の方法は
歯ブラシでこすって落とすこと。
場ブラシの効果を
一番発揮するのは冬剪定のとき。
バラは休眠期に
入っているので歯ブラシでこすっても
生育の妨げになることはないです。
歯ブラシでブラッシングしながら、
カイガラムシをゴシゴシこすって
落としてください。
ブラッシングのコツは、歯磨きと同じように
丁寧に隅々まで、です。
冬なら樹皮をめくってこすり
落としてもいいですが、他の時期はそこまで
深追いしないほうがいいですね。
病原菌が入り込むかもしれないですから。
歯ブラシでこすると
けっこう簡単に面白いように取れます。
ポロポロ取れます。
多いときは地面がカイガラムシで
白っぽくなることも…
落ちたカイガラムシが
はい上がってこないか心配になりますが、
カイガラムシは足がないので登れません。
そのうえ
歯ブラシでこそげ落とすときに
養分を吸うために突き刺したストロー状の
くちばしがちぎれてしまいます。
なので、
はい上がることも養分を吸うことも
できず死んでしまいます。
一度で すべてのカイガラムシを
歯ブラシで落とすことは不可能なので
でてきたら またこすって落とす、の繰り返しです。
そうやって数を減らしていくのが一番いいと思います。
冬以外の季節でも、
カイガラムシが急に増えた、というときは
歯ブラシでこすって落としていいと思います。
念のために新聞紙などを敷いておくといいです。
ただ、冬以外の時期だと、
介殻の中で卵がふ化しているかも知れません。
その場合
幼虫は足があるので
はい上がってくることもあります。
ふ化の期間が1ヶ月以上続くこともあるので
根気よく駆除しないとダメなようです。
薬剤による駆除
歯ブラシによる物理的な駆除法ではなく
薬剤で駆除する場合です。
白くて丸い介殻をかぶった成虫メスには
ほとんど薬剤は効果がなさそうです。
薬剤を使うのは時期を
みさだめる必要があります。
幼虫に効果がある薬剤…オルトラン水和剤
時期は5~7月に幼虫発生を確認したら散布。
ふ化後歩ける幼虫でいる間しか
薬の効果は望めません。
その期間は10日間ほどです。
なので、最初の幼虫を確認したら
1週間~10日後に薬剤を散布するといいと思います。
他の害虫の駆除と併用で
オルトランDX粒剤を株元にまくのも
効果があるようです。
カイガラムシエアゾールも効果的
特徴……
2つの成分を使って効果的に駆除できる薬剤。
浸透移行性で効果が約1ヶ月続くので
ダラダラとふ化が続くカイガラムシ退治に最適。
冬場の越冬成虫にも効く。
これは効きそうです。
近くの園芸店、ホームセンターや、
ネットでは楽天市場などで
購入するといいですね。
冬剪定のときに使うと良い薬剤
マシン油乳剤・ハッパ乳剤。
どちらも冬剪定のあと12月末~1月中旬に使用。
虫を窒息死させる効果があるようです。
マシン油のエアゾール
高品質のマシン油を使用した殺虫剤も効果的です。
マシン油のエアゾールで
新芽の展葉期以外、いつでも使える薬剤です。
これを噴霧したあと歯ブラシでこすると
おもしろいくらいカイガラムシが
取れます。
そうですね。
流れ落ちたろうそくのロウを
はがしとるような感覚です。
この殺虫剤はホームセンターや
楽天市場などのネット通販でも入手できます。
価格は700円~1000円以内です。
カイガラムシの予防と対策
カイガラムシは一度発生したら
翌年も発生しやすい虫です。
水やりのときなど、
見逃さないように枝葉も観察するのが
大事ですね。
特に影になったり、
枝の裏側の見えにくく暗いところに
発生するようです。
また、バラが弱ってくると発生しやすいです。
水やりや肥料の量も適切にして
丈夫に育てていきましょう!
カイガラムシ駆除は歯ブラシが一番
バラの枝葉につく白い模様。
それは模様ではなく
カイガラムシという汁を吸う害虫。
ほっておくと見た目も悪くなるし
バラが栄養を吸い取られ弱っていきます。
歯ブラシでブラッシングして
こすり落としてしまうのが
一番効果のある方法です。
効果の見込める薬剤もありますが
時期を見計らって使うことが大切です。
よく効く時期は、
カイガラムシがふ化し幼虫になったころ。
どちらにしても根気よく
退治していくことになります。
早めに気がついて駆除するようにしたいですね。
バラが弱ると
どうしても、害虫がきます。
我が家にはモンジャルダンエマメゾンという
かなり伸びるつるバラがあります。
ずうたいはデカイくせに黒星病に
弱い品種なんです。
トゲもめちゃ大きくてよせつけないぜ!
って感じなんですが、黒星病に弱い。
そんなだから、弱ってしまい
カイガラムシやテッポウムシを
呼びこんでしまいます。
きっと黒星病で葉を落としてしまい
体力がなくなってしまうのだろうな、
と思っています。
バラは強いので、黒星病は克服していくのですが
病を患っているときに、
害虫から狙われるんですね。
まさに弱り目にたたり目。
モンジャルダンエマメゾンも今年で、3年目。
株も充実してくるころだから、
うまく育てていきたいと思います。
バラは他にも天敵のような害虫がいます。
そんな害虫をまとめたページはこちら↓↓↓
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あなたのバラの害虫の悩みが少しでも
なくなることを願っています。
さあ!今日も頑張っていきましょ!