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バラの枝に白い筋のようなタテジマが
はいることはよくありますよね。
健康なバラは、枝が充実してくると
白っぽいタテジマがはいります。
大苗購入を考えるときバラ苗の健康状態の
バロメータのひとつとかいわれます。
でもその白いタテジマとはあきらかに
違う場合があります。
たとえば、
・点々とした白いものが付着している
・白くふわふわした綿のようなものがある
または、
・花首や葉に白い粉のようなものがついている。
そんなのを見たことありませんか?
それはもしかしたら
害虫や病気かもしれません。
害虫なら
バラシロカイガラムシとか
アオバハゴロモの幼虫だったり
病気だとしたら
うどんこ病が考えられます。
葉の裏も白くなっているとしたら
葉の裏にハダニが生息している
かもしれないですね。
白い小さなつぶつぶがあるなら
それは
虫の卵だったりします。
虫が葉やつぼみに白い小さな卵を
産みつける虫は、オオタバコガや
ムラサキツバメ、ムラサキシジミなどがいます。
知らずにほっとくと
バラに影響があります。
バラの白い枝。異常を見分ける方法
バラの枝や葉の白いもので
悪さをするもの、
どんな害虫や病気なのか
見分けて駆除していくと大丈夫!
その見分け方を説明しますね。
株元に多い、白いもの
バラシロカイガラムシは
このようなもので、ちょっと見たくらいでは
案外気がつきにくいかもしれません。
人の目につきにくいように株元とか
枝の裏側とか下側、つまり暗いところに
くっついています。
よく観察してみてくださいね。
バラシロカイガラムシの生態や駆除の方法は
こちらのページが詳しく書いています。
もしも、バラに症状が見られたら
ご覧になってくださいね。
さうび家の庭だけかもしれませんが
カイガラムシがいるバラにテッポウムシの
被害の確率が多いようなんです。
テッポウムシの親:カミキリムシは
弱った樹木を見つける天才。
なので、カイガラムシで弱ったバラも
簡単に見つけるのでしょうね。
ここをクリック↓↓(またはタップ)
カイガラムシの生態は?駆除は歯ブラシで!
アオバハゴロモの幼虫
成虫、幼虫ともバラの茎の樹液を吸います。
それほど大きな被害ではない
といわれます。
最大の被害は美観を損ねることです。
幼虫は白い綿のようなものをまとっています。
バラの茎や葉にとりつくと
綿がこびりついて
完全に取り除くことができません。
そのため見た目が悪くなってしまいます。
二次被害としてこびりついた綿で
すす病を発生してしまうこともあります。
なので、やっぱり駆除が必要ですね。
見つけたらすぐに捕殺。
成虫は羽があって飛び、捕まえにくいので
網を使って捕獲するといいです。
幼虫は綿の中からぴょ~んと
飛ぶので逃げられないように。
増えすぎてどうしようもないなら
薬剤散布も仕方ないかもですね。
薬剤は、ベニカXネクストスプレーや
ベニカXファインスプレー
広範囲ならベニカ水溶剤を希釈して散布。
広範囲ならこちらを↓
薬には弱い虫なので比較的簡単に
駆除できると思います。
できるだけ早めに対処して
広げないようにしたいです。
個人的にはそれほど実害がないので
できれば農薬に頼らずにすませたいな、
と思うところです。
白い粉のようなものがつく
枝や葉が白くなって驚くのが
うどんこ病。
糸状菌、つまりカビの一種の細菌。
これが悪さをすると、
花首や葉が白くなってしまいます。
白い粉がついたような、ほんと
うどんこをまぶしたような姿に
なってしまうのです。
繁殖力が強く、
あっという間に広がることもあり
バラ栽培の悩みのタネです。
うどんこ病について詳しいページは
こちら↓↓↓
うどんこ病、もっとくわしく!
葉の裏に住みつくハダニ
ハダニは、葉の裏に生息するクモの一種。
葉裏で汁を吸ってバラを弱らせる虫です。
気がつかないうちに
葉の裏で繁殖しています。
目で確認するのが難しいほど
小さな虫です。
雨に当たらない乾燥した場所で
繁殖します。
ベランダや玄関の軒下のバラは要注意。
ハダニはクモの一種なので
増えると糸をだし
葉裏にクモの巣を張ることもあるます。
そして糸で風にのって別の場所に
移動するのだとか。
葉の表が かすれたようになっていたら
裏返して確認してくださいね。
ハダニについて詳しく説明したページは
こちらから↓↓↓
ハダニ。目に見えないくらい小さなクモ。
葉やつぼみに白い小さな卵が…
葉の裏に集団で卵があれば、
それはヨトウムシの卵の可能性が。
きり取って葉ごと処分してくださいね。
それとは別に葉やつぼみで
白い小さな丸い卵のようなものを
発見したことありませんか?
1箇所に集中して産卵してなく
1個ずつばらばらに。
オオタバコガというガや
ムラサキツバメ、ムラサキシジミという
蝶の仲間の卵です。
これ卵?と疑ってしまうかも。
それほど小さい卵です。
年間4~5回世代交代します。
ヨトウガ類と違って卵は1個ずつ産み、
一晩に1匹の雌が200~300卵も産みます。
気温25℃では産卵後3日でふ化、
幼虫で2週間過ごし
その後2週間サナギで羽化を待ちます。
1ヶ月かけて成虫となるのです。
幼虫はつぼみの中に入り込み中を
空っぽにし、次々と食害していきます。
春よりも夏から秋までの発生が多く
九州では11月終わり頃でも見かけます。
越冬はサナギの状態で。
春にあまり見かけないのは
越冬したオオタバコガだけが
活動しているからですね。
それ以降は
越冬したオオタバコガの産卵したのを
見つけることができれば
駆除は楽になりそうですね。
幼虫の体の色は緑だったり茶色だったり。
なので同じ種類なのだろうかと
その時期に見かけるイモムシは
ほぼ間違いなくオオタバコガです。
見つけたら迷わず捕殺してくださいね。
ライフサイクルが1ヶ月くらい。
なので、一度幼虫を見かけたら1ヶ月ほどしたら
また発生する可能性があります。
ふ化して幼虫のイモムシ状態になると
捕殺するのもイヤな感じですよね。
できれば
ふ化する前、卵のときに駆除したいです。
指でこすると
簡単に取り除けます。
オオタバコガの幼虫を見てから
1ヶ月すぎる前、次の産卵が始まります。
そのころパトロール強化することが
大事かなって思います。
幼虫はつぼみの奥に潜り込んで食べるので
薬剤散布はあまり効果ないです。
なので、早いうちに
幼虫を捕殺するのが
一番効果的な駆除策のようです。
ムラサキシジミやムラサキツバメも
蝶の一種です。
この蝶の幼虫がバラの葉やつぼみを
食害していると知ったときはショックでした。
姿は、全体的にムラサキっぽい焦げ茶
というかグレーの色にきれいなムラサキ色を
ちょんと配色した羽をしています。
きれいでかわいい蝶です。
ちょっと見たくらいでは
ムラサキシジミやムラサキツバメかの
見分けはつきません。
どちらもほぼ同じようなライフサイクルで
6月くらいから活動開始。
ムラサキシジミは翌年3月まで見かけられる。
ムラサキツバメが寒がりなのか
活動は11月まで。
オオタバコガの卵が
栗きんとんのような形に対し
こちらは穴がふさがってしまった
こんもりとしたドーナツのような形。
幼虫は
黄緑色の楕円形の小さなイモムシです。
大食ではないのですが
葉をレース状に穴を開けてしまいます。
ときにはつぼみも食べます。
ムラサキシジミの幼虫の食草は
アラカシ、イチイガシなどブナ科の
常緑樹またはクヌギ、コナラなど落葉樹。
ムラサキツバメはブナ科のマテバシイが食草です。
どれも、いわゆるどんぐりの木ですね。
ん?って思いませんか?
この蝶たちの食草の対象は
バラではないんですよ。
っていうことは
ムラサキシジミやムラサキツバメは
もともとどんぐりの木にやってきたはず。
間違えてバラの木に産卵したということ?
それとも。
「この葉っぱのほうがおいしいじゃん!」
って思って産卵しているの?
どっちにしても。
バラが食べられるのには違いがないので
幼虫を見つけたら
駆除するしかないですよね。
かわいい蝶なのに←まだ言ってる…
でも私、蝶は苦手…(苦笑)
どんぐりの木が近くにあったら
くれぐれも用心してくださいね。
樹液が白く結晶化する
もうひとつ、バラの枝が白くなる場合があります。
それは樹液があふれ出て
白く結晶化する。
っていうケース。
冬剪定でカットしたあと
癒合剤などの処理をせずにほっておくと
樹液があふれ出ることがあるんです。
太くて充実した枝で起こりやすいです。
ほとんどはすぐに止まるのですが
3~4週間出続けたりします。
雨で流れたり風で飛ばされないで
流れ落ちてそのまま結晶化して
白くなるのです。
病気でも害虫でもなく
バラは至って健康。
大丈夫なのですが
樹液が出続けるのは
あまりよろしくないようです。
切り口から雑菌がはいるので
放置はキケンってことですね。
樹液を止める癒合剤
カルスメイト
トップジンMペーストを切り口に塗ります。
さうび家では木工用ボンドを塗ってます
↑
ダメなやつかも。
この手の白い枝は
ほとんど問題ないです。
バラの枝が白くなる原因のおさらい
バラの枝が白くなる原因
害虫:
バラシロカイガラムシ
アオバハゴロモの幼虫
病気:
うどんこ病
葉が白くなる害虫:
ハダニ
白い卵を産むガ:
オオタバコガ
白い卵を産む蝶:
ムラサキシジミ
ムラサキツバメ
健康なのに枝が白くなるのは
樹液があふれ出て結晶化した場合です。
雑菌がはいることもあるので
癒合剤を塗るといいです。
このように
バラの枝や葉が白くなるというのは
なにか問題があると考えてよさそうですね。
バラシロカイガラムシの生態は
なかなか面白く興味深いですよね。
ハダニもクモだとは!って感じですし。
ムラサキシジミやムラサキツバメの卵なんて
小さくて初めて見たときは
卵だなんて思いませんでした。
バラを育てていると
バラの育て方以外にも
虫や病気に興味がでてきます。
虫が苦手なのにおかしいですね。
クモはどうしてもダメですが
他の虫たちは見るくらいは
大丈夫になってきました。
さあ!今日も元気にがんばりましょ!