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虫が苦手でもカミキリムシは
好意的な印象を感じる、
昆虫の一つです。
バラによってくるゴマダラカミキリは
黒地に不規則な形の白い斑点をもち
スリムな体で、固い表皮におおわれている虫。
機械的にも見え、ちょっとかっこよくて
子どもたちに大人気!かもしれません。
このカミキリムシは強靭なあごを持っていて、
その強さは、名前の通り
髪の毛をパツンと切ってしまうほどです。
子供のころ、髪の毛をあごで
切らせたりして遊んだこともあることでしょう。
ところが
バラを育てはじめると、それまで
カミキリムシに抱いていた気持ちが
変わってしまいます。
カミキリムシのあごが
バラの枝や柔らかい樹皮を食べるのに使われると
知ってしまったら…害虫でしかないですよね。
それまで抱いていた好意が一気に吹き飛びます。
少し裏切られた気にさえなります。
カミキリムシ成虫は枝葉を食害し、
カミキリムシ幼虫のテッポウムシは
幹(茎)の中で密かに中心部を食べるのです。
これを知ったら
「ああ、なんてこと!」
これからは敵になるんだな、
という残念な気持ち。
ちょっと悲しいですね。
しかし
成虫だけでなく幼虫までもバラに
悪さをするなら放っておけないですもんね。
幼虫(テッポウムシ)は成虫より恐ろしく、
放置していたらバラが枯れる危険さえあります。
こんなカミキリムシは
バラに近寄ってほしくないですよね?
近づけないための
有効な対策があるのでしょうか?
残念ながら
カミキリムシをはじめ、飛んでくる虫を
完全に寄せつけない対策はありません。
そこでバラに対する被害を
できるだけ少なくする対策について
お伝えしていきます。
カミキリムシ成虫に
食べられたらどうなるのか?
カミキリムシ幼虫はどうやって見つけて
駆除したらいいのか?
予防法はあるのか?
バラのカミキリムシ対策の全てです。
バラにとってカミキリムシは敵
初めの方でもお伝えしましたが
バラにとってカミキリムシは敵、という存在。
動けないバラはやられ放題なんです。
私たちが保護する必要がありますよね。
だって、美しいバラを見たいし
かぐわしい香りを味わいたいじゃないですか。
そのためにできることをやっていきましょう。
生態を知る。
前年、バラに産卵された幼虫は
5~6月頃羽化します。
産卵のタイミングで成虫になる時期に
ばらつきがあるようです。
羽化後 約10日ほどで
卵を産めるようになります。
卵は7~10日でふ化。
産卵は6~10月ごろまで続くというから
わりと長い期間気が抜けませんね。
特に最盛期の6~7月ごろ。
成虫がいたらすぐ捕殺!
うかうかしていたらマズいです。
茎の直径1.5cmもあれば
産卵のターゲットになります。
地面に近い部分の木の幹に産みつけるので
そこから樹液がでたり樹皮の変色が見られます。
この変化を発見できれば
予防ができたのも同然なんですが…
この時点で見つけるのは難しそうです。
成虫と幼虫からの被害
成虫・幼虫(テッポウムシ)ともに
生木を食べます。
カミキリムシの成虫による被害
成虫は強く大きなあごで、
ガリガリ茎を食べます。
枝の先の方に食べあとが多いので
柔らかいほうが好みなのかなと思います。
🔻🔻🔻カミキリムシにかじられたバラの枝
カミキリムシ幼虫(テッポウムシ)による被害
幼虫は茎の表皮の内側、
形成層より中心部にある髄と呼ばれる部分を
ひそかに食べながら根の方に向かって進みます。
髄という部分は、
すでに死んだ細胞なので食べられても
バラの生育に影響が出にくいようです。
そのためバラに変化が現れず
テッポウムシが食べていると
気づきにくいのです。。
中心は食べられてトンネル状になっているので
折れやすい状態になっています。
強風でいきなり折れるかもしれません。
食べて食べて食べ尽くして
トンネルの中で蛹になり成虫として飛び出していきます。
バラには体力は残ってなく、
アッという間に枯れてしまうのだそうです。
飛び出すとき鉄砲玉を
打ち込まれたような大穴があくので
テッポウムシと呼ばれるようになったのだそう。
こうやって考えると
より怖いのは成虫より
幼虫の方だと思いませんか?
カミキリムシ幼虫の被害を発見するには?
バラへのカミキリムシの被害を
最小にくいとめるにはオガクズのような
木くずを見つけることです。
幼虫から被害を受けているなら
どこか穴からオガクズのような
木くずがでてきます。
それを発見したら、
幹や茎に穴があるはずなので
探してくださいね。
穴を探すとき、おがくずのようなフンを
どかさないようにしたほうがいいです。
どかしてしまうと、フンがどこから出てるか
ヒントがなくなり穴を見つけにくくなります。
かといって、フンがあると
邪魔で穴が探しにくいです。
そこで!
まずはスマホで写真を撮リます。
そして、
フンの出どころを画像で確認しながら
針金などを使って穴を探すといいです。
カミキリムシ駆除の方法
穴が見つかり
針金で幼虫を刺して殺すことができれば
バラは救われます。
穴は見つけたけど、
幼虫を退治できたかわからないという場合は
園芸用キンチョールEを穴の中に吹き入れます。
園芸用キンチョールを噴射したら
穴の付近の地面をきれいに掃除しておき
数日、オガクズのような木くずがでないか
確認してください。
再びでるなら繰り返してくださいね。
オガクズがでなくなったら、
退治できたと判断して大丈夫だと思います。
オガクズの有る無しが、判断の材料になります。
駆除のあとにカルスが形成されることも
オガクズがでたあたりからモコモコした組織が出ることがあります。
え?癌腫?と驚きますが
ゴマダラカミキリムシの幼虫があけた穴を
修復しているカルスの可能性が高いです。
モコモコした組織ができる前に
ゴマダラカミキリムシの幼虫の駆除をしてないか
確かめてくださいね。
↓ゴマダラカミキリムシの幼虫の駆除をした後カルスができました。
「癌腫とカルスの見分け方」は本文の下に
リンクがありますのでそちらからご覧くださいね!
バラの株元に雑草などがあると
発見しにくくなるので、日頃から
きれいに取り除くことが大事です。
幼虫を退治したあとの穴は雨水などが
入らないようにふさいでおいてください。
幼虫の食害で茎の中の空洞が
ひどく大きかったら?
根もとから切って新しいシュート更新を待つ
という方法もあります。
この方法は樹勢の強い品種が向いてます。
バラ栽培のプロがやってる方法
趣味の園芸でおなじみの有島薫先生の
駆除の方法がすごいです。
テッポウムシの痕跡を発見したけど
穴を確認できなかったときの方法です。
怪しい付近の枝に電動ドリルで
方向を変えて 数カ所穴を開け、
そこに
注射器でスミチオンを流し込むそうです。
私はまだ、やったことありませんが
有島薫先生がFacebookで紹介されていましたよ。
調べてみると、
この方法をやってる人は他にもいらっしゃるようです。
意外とポピュラーなのかな?
飛んでくるので薬剤の使用は
あまり意味がありません。
見つけたら捕殺です。
卵を産むのは地面近くの幹が多いです。
根もと付近は卵を産めないように
保護しましょう。
根もと付近に防虫ネットを巻きつけたり
アルミホイルと巻きつけると
産卵を防ぐ効果があります。
テッポウムシ予防樹脂フィルムを
塗るのもいいでしょう。
とにかく
根もとにカミキリムシの成虫を
近寄らせないようにするのが大事です。
夜行性で、灯りに集まってくるので
カーテンなどで部屋の灯りを漏らさないように
したほうがいいかもしれません。
また、被害にあいやすいのは
樹勢が衰えた樹が多いです。
土の肥料のバランスが悪かったり
日当たり、風通しなど環境が良くないと
軟弱に育ってしまい細胞壁が弱くなります。
そうなると、柔らかくて食べやすく
カミキリムシにとって魅力的な食材になります。
適切に肥料を施し、病気が出ないように
健全に育てているバラには
卵を産まない、といいます。
元気の良いバラは樹液がドクドク流れているので
幼虫が住みにくいのだとか。
我が子の住む場所として最適か
噛んで確かめてから卵を産みつけるらしいです。
どうやら
健康で丈夫なバラに育てることも
予防になりそうですね!
カミキリムシはどんな種類でもバラを食べる?
カミキリムシが
バラの近くにいると食べられる!
と警戒してしまいます。
だけど
すべての種類が
バラを食べるわけではありません。
こんなかわいいカミキリムシもいるんですね。
他にもこのようなカミキリムシも。。。
このように、カミキリムシの仲間は
日本だけでもたくさんいます。
葉や茎を食べる・木の皮を食べる・花の蜜を吸う
などの種類がいます。
下向き→葉や茎、木の皮を食べる・夜行性
上向き→花の蜜を吸う・昼行性
バラに来たカミキリムシは、
このように見分けてくださいね。
大半のカミキリムシは朽木などを食べる
森の掃除やさんです。
このようなカミキリムシがいないと、
森の世代交代がうまくいかないのだそうです。
バラの生木を食べるのはゴマダラカミキリや
シロスジカミキリなどです。
この種のカミキリムシは
弱った木や老木を見分けることができ、
早く処分するという役目があるといいます。
森のサイクルを早めるのに
一役かっているというわけです。
憎いカミキリムシも自然界では
重要な役割を持っているんですね。
といっても、バラを育てている私たち。
もっとも注意しなければならない
バラを食害するゴマダラカミキリムシは
やっぱり敵です。
対策を十分にしていきましょう!
カミキリムシの対策のおさらい
被害の発見の方法は
根もとにオガクズのようなものがないかチェック。
そのために根もとはきれいにしておくこと。
もしもオガクズを発見したら幼虫がいるので
穴をみつけ
針金や園芸用キンチョールEで駆除。
カミキリムシの成虫対策は
見つけ次第捕殺するとともに
寄せ付けないよう根もとを保護。
そして、
バラは環境を整えて健全で丈夫に育てる。
このようなことを実践すれば
カミキリムシに対処できると思います。
もしもカミキリムシの被害にあっても
うまく退治できれば
またきれいに花が咲いてくれます。
我が家のバラたちもそうでした。
カミキリムシの被害からみごと復活しました。
ある日、4品種のバラにオガクズが・・・
そのとき衝撃が走りました。
まさかのカミキリムシ!
確かに4品種とも弱っていました。
だから狙われたのでしょう。
黒星病を患うもの、
根詰まりしていて元気のないもの、
土手からドボンと川に落ち鉢が割れてるのに
植え替えしてないもの。
そんな4品種でした。
わかるんですね~カミキリムシ。
しっかり卵を産みつけくれました。
針金と園芸用キンチョールEで
退治できたときはホッとしました。
危うく4品種失うところでしたから。
数日かかりましたが
時期を逃さず対処すると可能性はあります。
観察を心がけなくては!と思いました。
それから
さうび家のバラだけなのかわかりませんが
カイガラムシが多く発生すると
テッポウムシの被害に遭う確率が高いです。
カイガラムシが きっと
バラをジワジワと弱らせるのです。
なので、
カイガラムシがいないか
株元のチェックも忘れないように!!
カイガラムシってなに?という人は
こちら
↓↓↓
コレって虫だったの?カイガラムシの被害と駆除
ちなみに、
本文中で癌腫のことを書いていますが
癌腫とカルスの違いについての記事はこちら↓です。
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さあ!今日も頑張っていきましょ!