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6月、バラの開花が一段落すると
株元や枝のところどころから
若い枝「シュート」がでてくる・・・
花が終わったら株元を見るのが
とっても楽しみになりませんか?
そのはずなのに 出てこない!
翌年の花芽をつけるルーキー的な枝になるはずのシュート。
でないとちょっと不安になります。
これじゃ来年の花は増えないな…
私たちは
シュートを出やすくするために
どのようにサポートすればいいのでしょう?
シュートっていつまでに出てくれば
翌年に間に合うのでしょう?
シュートが出ない悩み、
解決の糸口になりそうなことを
紹介しますね。
バラのシュートが出ない対策の前に
はじめに、
シュートが気持ちよく出てくる仕組みは
どうなってるかというと・・・・
バラは花が終わるころは
枝葉の成長をゆるやかになります。
いっぽう、根はおかまいなく
栄養や水分を吸い上げ続けます。
バラの枝葉には
まだ伸ばす準備ができてないのに、です。
だから
栄養や水分の行き先がありません。
使いみちがないのです。
そこでバラはどうするのかというと。
たまりかねて株元や枝のあちこちから
吹き出すように勢いのある若枝をグ~ンと伸ばしてやろ!って思う。
このような仕組みがうまく働いて
シュートが発生し、翌年の花が
楽しめるっていうわけ。
それを私たちがサポートして出やすくしてあげたいですよね!
シュートが出やすくするには?
シュートがでる仕組みから
どうやら、
根がしっかりしていて養分や水分を
吸い上げなくちゃダメなようです。
それにはまず、
根の周りの環境を整えることが先決。
・鉢植え:根詰まりしてないか
鉢植えの場合、シュートを出す力のすべては鉢の中の環境にあります。
時期によって対策はこのようになります。
→生育期なら根鉢を崩さず鉢増し。
→休眠期なら根鉢をほぐして
レタス大に土を落として植え替え。
ただし、鉢増しのタイミングは梅雨のあと、または休眠期にしてくださいね。
こちら→鉢増しのタイミングと注意点
・地植え:水はけが悪くないか確認
→バラ株を中心に根を切らないくらいの
ところをぐるりと掘りバラ用の土と肥料をすき込む。
根の他にも気をつけることがあります。
・株元に日光がよく当たるようにする。
理由はよくわかりませんが経験的に
そのほうがシュートがでるんですよね。
私なりに考えてみたんですが
光が当たると自分のところが
頂芽って思うんじゃないのかな。
ココてっぺん?的な。
それで、他の条件が整ったら出てくる
のではないかと思っています。
↑↑
違ったらごめんなさい。
で、光を当てるためにも
下側の古い葉は取り除いておきましょう。
・古くて弱った枝は切り戻す
よく伸びていても短めに切り戻し
栄養を独占しないように。
シュートの発生のために
栄養を集めたいですからね。
・水の管理
水切れをしないように。
若枝を見ると とてもみずみずしいです。
それだけに水分が必要ってこと。
でも、やりすぎに注意。
↑↑このバランスがいつも難しい。
最後にもう一つ
・肥料の成分バランスを考える
肥料のバランスが悪くなると
シュートも出にくくなります。
多くのバラ用の肥料は
リン酸を多く含む配合になっています。
花を咲かせるためには
リン酸が必要なんですが良くも悪くも
頂芽優勢の性質を高めてしまうんですね。
そのために上ばかり育ってしまい
株元や枝の途中からのシュートを
出しにくくします。
この時期
リン酸を控えることもちらっと
覚えておくといいです。
どうしても出ないときの原因として
頭の片隅にでも、、
シュートを出しやすくする肥料
シュートを考える前に
バラの体が何でできているか
を考えてみます。
窒素・リン・カリウムとカルシウム・マグネシウム
この5つでできてます。
あ~なんだか難しくなってきましたね。
ざっくり書くと
つまり、肥料の3大要素だけなく
カルシウムとマグネシウムが必要ってこと。
3大要素は誰もが気になる成分なので
きちんと施しているのがほとんどです。
カルシウムも日本の土壌が雨のために
酸性化するのを防ぐ石灰など資材として
出回っています。
なので、カルシウムは補給できるとして
マグネシウムはどうする?
バラの体を構成している成分の中で
足りないものがある。
=シュートが出にくくなる。
この構図は阻止したいですよね。
じゃ、マグネシウムを多く含むもので
肥料として使えるものは何?・
・
・
・
それは、「米ぬか」です。
けど、生で使うには注意が必要です。
高タンパク質なので
直接根にあたるとよくないのです。
だから
土の表面に薄く混ぜ込む感じで施すといいです。
軽く混ぜ込んだ後
腐葉土やバーク堆肥でマルチング。
コガネムシ避けもかねて
馬糞堆肥でもいいと思います。
10号鉢までは 大さじ1~2杯
地植えでカップ1~2杯
回数や施す期間は状況で判断します。
我が家では全部鉢植えなので
冬の用土替えのあと、2月はじめころに
1回だけまきました。
その年のバラは調子良く
シュートがバンバン出ましたよ。
残念ながら、
米ぬかが思うように手に入らず
まだ1回しか試してませんが。
アメリカではシュートの発生のために
多量のマグネシウムを施すそうです。
硫酸マグネシウムを使って。
日本では薬局で入手できるらしいですが
園芸用として使うならとても高価。
肥料用で販売されていますが、
最小の販売量が大量過ぎて購入しても
とても使い切れる量ではないです。
結果、現実的ではない。
それでも、全くないわけではなくて‥
同様の成分で日本のガーデニングに
ちょうど良さそうなのは「ハイグリーン」
ミネラル補給用の肥料です。
どこで扱っているかというと
イタミ・ローズ・ガーデン。
「イタミローズガーデン ハイグリーン」で
検索すると
嬉しいことに1kg単位で販売してます!
通常は米農家さんたちが使うようで
1kgなどの少量ロットの販売は
ここでしかなさそうです。
これを使うとシュートがバンバンでる
というから
楽しみですよね。
もしも、シュートが出なくて…どうする?
と思ってたら試してみるのもいいかも。
このように気になってしょうがない
「ハイグリーン」ですが
さうび家では まだ試してないんですよ。
だから、~のようです、とか
~らしいです、という表現しかできなくて
ごめんなさいね。
いつか試してみたいです。
以上、ここまで
バラの体を構成している成分をもとに
施したらいいかも、という肥料を
紹介しました。
シュートは5月~8月にでる
シュートがよく出る時期は
5月~8月と言われます。
ですが、3月の終わりや4月にだって出てきます。
3月や4月にシュートが出るのは「肥料の与えすぎ」という説もありますが、出てくるものは止められない(笑)
翌年の対策として考えればいいです。
シュートはとても柔らかいです。
困ったことにシュートが出る時期は台風の季節とも重なります。
台風の風で折れるので、支柱に止めて守ってくださいね。
秋バラを優先するときのシュートの対策
お盆過ぎにシュートがでたら
そちらに栄養が集中するので秋バラの
花つきが悪くなります。
秋バラを優先するなら根本から切るといいです。
9月以降にでるシュートをそのままにすると
幹の充実が妨げられるので切ったほうがいい、
ともいわれます。
シュートが出る時期で対応も変わりますよね。
でも、
私は、切っても切らなくてもいいかな、
と思っています。
枝数が少なかったら残すし、多ければ
どっちにしても冬の剪定で切るし。。
悩むなら残す派(笑)だから。
品種でもシュートの出方は違ってきます。
つるバラなど3~4年したら
シュートがでなくなる品種もあるんですよ。
誘引してもシュートが出てないから
株元に花がさっぱり・・・
ってことがありますよね。
つるバラのシュートが出なくなったときの剪定誘引
新しいシュートが出なくなったつるバラ。
株元に花が少ないのに
枝先はわさわさとして花も咲く枝が
あったりします。
古くて長く伸びている枝で
元気がありそうなのに
なぜか株元に花がありません。
そんな枝ありませんか?
この場合はもったいない気もしますが
思い切って短く剪定してみましょう。
もしかしたらシュートが出て。
下側で花を咲かせられるかも、、
切って。。
あとは、バラに任せて
気長に待ちましょう(笑)
バラのシュートがでないときは?おさらい
どうするか?株元にエネルギーを集中させるとよいです。
根を健康にすることも、
株元におひさまの光を当てるのも
弱い枝古い枝を整理するのも、
水切れさせないようにして
肥料成分のバランス整えるのも
みんな、エネルギーを集中させるため。
それで、すっごいパワーでどんって
どこかに若枝がでるんですよね。
ただし、これをやったからといって
必ず出るわけじゃないです。
逆に、何もしなくても忘れたころに
出てくることもあります。。
数年シュートが出てなかった
ピエールドゥロンサールにシュートが
でてきた時は本当に驚きました。
ほとんどあきらめかけてたので。
大した対策をしたわけではありません。
なんもしなくてもいいことだってある。
そんなこともあるんですよね。
バラの意思というか…
気まぐれ。
だからこそ、バラはおもしろい。
さあ!今日も頑張っていきましょ!